インサイトレポート
2020年7月30日(木)、CAR-T細胞療法※の最先端を担われている、大橋一輝先生(都立駒込病院副院長)をお招きし、CAR-T細胞療法の現実と課題に関して勉強会を開催いたしました。
大橋先生にはCAR-T細胞療法のプロセス、施設のサポート体制や、CAR-T細胞療法の課題などをご講演いただき、最後の質疑応答にも丁寧にお答えくださいました。
CAR-T細胞療法とは
CAR-T細胞療法は、通常の免疫機能だけでは完全に死滅させることが難しい難治性のがんに対する治療法として開発されました。患者さん自身のT細胞を取り出し、遺伝子医療の技術を用いてCAR(キメラ抗原受容体)と呼ばれる特殊なたんぱく質を作り出すことができるよう、T細胞を改変します。CARは、がん細胞などの表面に発現する特定の抗原を認識し、攻撃するように設計され、CARを作り出すことができるようになったT細胞をCAR-T細胞と呼びます。このCAR-T細胞を患者さんに投与することにより、難治性のがんを治療するのがCAR-T細胞療法です。